第10回 三角関数の演習問題 [ネコ騙し数学]
第10回 三角関数の演習問題
問題1 cosx+cosy=a、sinx+siny=bのとき、cos(x−y)をa、bを用いてあらわせ。
【解】cosx+cosy=a、sinx+siny=bをそれぞれ2乗すると、
上の式と下の式を足すと
よって、
類題 sinz=cosx+cosy、cosz=sinx+sinyのとき
2cos(x−y)+1=0であることを示せ。
問題2 △ABCの面積S、辺BCの長さをaとするとき、
であるという。このとき、△ABCはどんな三角形か。
【解】
△ABCの面積Sまた、
余弦定理より
よって、
(1)と(2)を比較すると
sinB>0で0じゃないので、sinBで両辺を割って式を少し整理すると、
よって、∠A=∠Rの直角三角形。
問題3 半径の円に内接する△ABCの面積が1で
のとき、この三角形の三辺の長さを求めよ。
【解】
三角形だからよって、
正弦定理より
三角形の面積は1だから
余弦定理より
よって、
または
を解けば答えが出てくるにゃ。
格好良く解きたい人は
α=a²、β=b²とし、2次方程式の解と係数の関係を使うケロ。
すると、
①は実根を持たないので、②だけ解く。
このことから、
となる。
何を書いてあるかわからない人は、真面目に連立方程式を解けばいい!!
問題4 2次方程式
の2つの解がtanA、tanBであるとき、tan(A+B)の取りうる範囲を求めよ。
【解】
2次方程式が実数を解を持たなければならないので、この2次方程式の判別式をDとすると
a>0なので、
また、解と係数の関係から
tan(A+B)は加法定理より
a>0だから相加平均≧相乗平均が使えて
上の不等式の等号成立は
のときで、a>0よりa=√2で存在する。
よって、
2次方程式の判別式、解と係数の関係、相加平均≧相乗平均、三角関数の加法定理が組み合わさったいい総合問題だと思うけれど、試験会場で受験生にこれを解けというのは酷だと思うにゃ。
ここで使っている手法を用いると、これまでに何度も出てきた
の値域を簡単に求められるケロ。
この関数は、f(−x)=−f(x)が成り立つので、x≧0だけを調べればいい。そして、f(0)=0なので、x>0として
分母に注目すると
よって、0≦xのとき
また、f(x)は奇関数だから
となる。
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