第11回 合成公式 [ネコ騙し数学]
第11回 合成公式
次の図のようなxy平面上の点があるとする。
このとき、
が成立する。
このことは三角関数の定義より明らかでしょう。上で定義した角度αを使うと、asinθ+bcosθは次のように変形できる。
これを三角関数の合成公式という。
あらためて書くと、結構、間違えやすいので、これは次の図とセットで覚えてください。
そうでないと、aとb、どっちが分母で分子かで悩むことになる。
例1 sinθ+cosθは、a=b=1の場合で
とすると、
例2 3sinx+4cosx(0≦x<2π)の最大値、最小値を求めよ。
【解】
よって、最小値は−5、最大値は5。
問題 x²+y²=1のとき、x+yの取りうる値の範囲を求めよ。
【解】
x=cosθ、y=sinθ(0≦θ<2π)とする。よって、
ちなみに、x+yが最大になるとき、
最小になるのは
【別解】
シュワルツの不等式を使うケロ!!
等号成立はx=yの時で、x=y=−√2/2の時に最小、x=y=√2/2の時に最大。
【別解2】
x+y=kとする。y=k−xをx²+y²=1に代入する。上の2次方程式を満たすxは実数でなければならないので、
よって、−√2≦x+y≦√2
この他にも別解はいくつか作れますが、別解2は好きじゃない。これは自然な考え方ではないケロ。
x+y=kとし、これを直線の方程式とみなし、原点を中心とする半径1の円x²+y²=1との共有点を調べる図形的に解く方法もある。
次の図のように接する時に最大・最小になる。そして、y軸の赤い線で示した範囲がx²+y²=1のときx+y=kが取りうる範囲となる。
この解法は、もっと嫌いだ!!
問題2
のグラフをかき、かつ最大値・最小値を求めよ。
問題3
について、次の問いに答えよ。
(1) t=sinx+cosxとおき、tの範囲を定めよ。
(2) f(x)をtの式であらわせ。(3) f(x)の最小値とその時のxの値を求めよ。
【解】(1) −√2≦t≦√2
(2) t=sinx+cosxを2乗する。よって、
(3)
よって、t=−1のとき最小で、−1が最小。
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