第12回 三角関数の積和・和積の公式 [ネコ騙し数学]
第12回 三角関数の積和・和積の公式
§1 三角関数の積和の公式
三角関数の加法定理より正弦関数については次の関係が成り立つ。よって、①+②は
①−②は
よって、
正弦関数と余弦関数の積を正弦関数の和に変えた。
こういうのを、三角関数の積和公式とかいうにゃ。同様に、余弦関数に関する加法定理は
なので、③+④、③−④を計算すると、
以上の結果をまとめると
上の式は、積分の計算、たとえば
などの計算に使うために必要なもので、mとnが自然数でm≠nのとき
であることが分かる。
非常に重要な公式であるのだけれど、私は覚えていない(^^ゞ
こんな式は、加法定理からすぐに導ける。覚える必要はないケロ。さらにいうならば、加法定理も
だけを覚え、あとは、sin(−θ)=−sinθ、cos(−θ)=cosθを覚えておけば、その場ですぐに導くことができる。
§2 三角関数の和積の公式
三角関数の積和の公式を導く前、たとえば、なども見て欲しいにゃ。
A=α+β、B=α−βとすると、
となることが分かる。
をα、βについて解けば、
になるので、
同様に、
また、
なので、
そして、
になるので、
となる。
結果をまとめると、
三角関数の和・差から三角関数の積に直すので、和積の公式とか呼んでいるケロ。
上の2番目、4番目の公式は、正弦関数と余弦関数の微分のところで使った。
バズル的な問題を・・・。
問題1 △ABCで
であることが証明せよ。
【解】
C=π−(A+B)だから
よって、
ゆえに、
問題2 α+β+γ=πのとき
【解】
加法定理より
よって、
また、α+β=π−γ
これを①に代入すると、
タグ:三角関数