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定積分の応用 面積の分割に関する問題 [ネコ騙し数学]

定積分の応用 面積の分割に関する問題


問題1 直交軸において、原点と点(1,1)を結ぶ線分を対角線とする正方形がある。方程式において、nを変えると種々の曲線ができるが、その中から2つの曲線を求めて、これによって正方形を3等分せよ。

graph-314.png【解】

3等分する2つの曲線を

  

とし、0≦x≦1

  

とすると、

  

よって、

  

である。

(解答終了)


(1,1)を点Aとし、原点OAとを直線で結ぶと、直線OA、つまりy=xに関して対称。

y=x²の定義域を0≦x≦1とすれば、もう一方の曲線はx=y²0≦y≦1)で、これからy=√xが出てくる。

 


問題2 aを正の定数とするとき、曲線

  

と両座標軸で囲まれた図形を曲線y=sinxが2等分するようにaの値を定めよ。

【解】

graph-315.png0<x<π/2におけるy=acosxy=sinxの交点のx座標をαとすると、

  

また、sin²α+cos²α=1だから、cosαsinαについて解くと
  tsmb-01.png

問題の条件より

  
①に
  
を代入すると、

  tsmb-00.png

両辺を2乗すると、

  tsmb-03.png

a>0だから、

  

(解答終了)

 



問題3 曲線y=sinx上の点P(a,b)における接線とx軸との交点をKとし、Pからx軸におろした垂線の足をHとする。

PKHが曲線y=sinxによって分けられる2つの部分の面積比が

  (図形PKO):(図形POH=1:2

となるようにaを定めよ。ただし、Oは座標の原点、0<a<π/2とする。

【解】

graph-316.png図形PKO:図形POH=1:2だから、

  △PKH:図形POH=3:2

接点Pにおける接線の方程式は、y'=cosxだから

  tsmb-10.png

この接線とx軸との交点Kx座標をtとすると

  tsmb-12.png

よって、△PKHの面積S₁

  

図形POHの面積S₂

  

S₁:S₂=3:2だから2S₁=3S₂

よって、①と②より

  

sin²a+cos²a=1を使って③からsin²aを消去すると、

  

0<a<π/2だからcosa=1は解として不適なので、

  

(解答終了)

 


問題4 曲線y=logxx軸との交点をAとする。また、この曲線に原点Oから引いた接線の接点をBBからx軸におろした垂線の足をHとする。

(1) 接線OBの方程式を求めよ。

(2) 線分AH上に1点Pをとり、線分APBPおよび曲線ABの囲む面積を△BOHの半分にしたい。Px座標を求めよ。

【解】

graph-317.png(1) 接点Bの座標を(t,logt)とすると、y'=1/xだから、接線の方程式は

  

これが原点Oを通過するので、

  

よって、接線の方程式は

  


(2) 接点Bの座標は(e,1)だから、△BOHの面積は

  

Pの座標をpとすると、△BPHの面積は

  

問題の条件より
  tsmb-04.png

(解答終了)



タグ:微分積分

ネムネコ、閃く!!というほどのものではないが… [ネコ騙し数学]

ネムネコ、閃く!!というほどのものではないが…


graph-omake-01.png問題 次の曲線とx軸、y軸の間で囲まれる部分の面積を求めよ。

  

【解】

根号内で負になってはいけないので、x≧0y≧0

また、

  

同様に、y≦1

したがって、0≦x≦10≦y≦1

また、

  

よって、求めるべき面積S

  

(解答終了)

なのですが、

  

この曲線①は媒介変数tを用いて

  

とあらわすことができる。

したがって、次のように解くこともできる。


【別解】

曲線①は媒介変数を用いて

  

よって、

  

したがって、面積S

  

(解答終了)

 


別解は、問題の解答中に出てくる定積分

  

に対して、√x=tとおいて、置換積分したものと同等のもの。

また、

  


  

は同じ曲線。

だから、

  neko-hirameki-01.png

ここで、

  

と変数を変換すると、②は

  

になる。

つまり、曲線①の正体は放物線の一部ということが分かる。


タグ:微分積分

接線と面積 [ネコ騙し数学]

接線と面積


問題1 直角双曲線xy=kk>0)の上の1点Pからx軸におろした垂線の足をQQからこの双曲線に引いた接線の接点をTとすると、線分PQ、および双曲線の弧TPで囲まれる部分の面積Sは、Pが双曲線のっどこにあっても一定であることを示せ。

【解】

graph-304.pngPの座標をとするとQの座標は(p,0)

接点Tの座標をとすると、だから、接線の方程式は

  tssm-01.png

Q(p,0)を通るので

  tssm-02.png

よって、接線の方程式は

  

したがって、面積S
  tssm-03.png

(解答終了)


問題2 曲線上の点Pにおける接線とx軸の交点をQとする。PQからy軸に平行に引いた直線と、上の曲線およびx軸とで囲まれた部分は、PQによってどのような比に分けられるか。

【解】

graph-305.pngは偶関数で、x軸に関して対称なので、a>0について考えれば十分。

  

したがって、点Pにおける接線は
  tssm-04.png

よって、x軸との交点Qx座標は

  

PQ(a,0)で囲まれる三角形の面積は

  

曲線とx軸、x=ax=3a/2とで囲まれる部分の面積は
  tssm-05.png

したがって、面積比は

  

(解答終了)

 


問題3

(1) x軸上の点P(a,0)から曲線に2本の接線が引けるためのaの条件を求めよ。

(2) a=1/2のとき、この曲線と上の2接線で囲まれる部分の面積を求めよ。

【解】

graph-306.png(1)

  

接点の座標をとすると、接線の方程式は

  

これが点(a,0)を通過するので、

  

この方程式が相異なる2実根を持つので

  


(2) a=1/2のとき

  

よって、接線の方程式は

  

面積S

  tssm-06.png

(解答終了)

 


問題4 曲線y=logx上の定点A(1,0)と動点Pとにおける接線の交点をQとする。またPQからx軸へおろした垂線の足をそれぞれRTとし、この曲線とPRARによって囲まれた部分の曲線をSを、△AQRの面積S₁、△APTの面積をS₂とする。

(1) の値を求めよ。

(2) Pがこの曲線に沿ってAに近づくの極限値を求めよ。

【解】

graph-307.png(1)

  

Aにおける接線は

  

Pの座標を(t,logt)とすると、接線の方程式は

  

Qは①と②の交点だから
  tssm-07.png

よって、

  

面積S
  tssm-08.png

③と④より、

  


(2)

graph-308.png

 (1)より、Tの座標は

  

したがって、

  

ゆえに、

  

t<1のときlogt<0t−1<0t>1のとき、logt>0t−1>0で、いずれにせよ

  

よって、

  

(解答終了)


タグ:微分積分

定積分の応用 閉曲線の面積 [ネコ騙し数学]

接線と面積


問題1 直角双曲線xy=kk>0)の上の1点Pからx軸におろした垂線の足をQQからこの双曲線に引いた接線の接点をTとすると、線分PQ、および双曲線の弧TPで囲まれる部分の面積Sは、Pが双曲線のっどこにあっても一定であることを示せ。

【解】

graph-304.pngPの座標をとするとQの座標は(p,0)

接点Tの座標をとすると、だから、接線の方程式は

  tssm-01.png

Q(p,0)を通るので

  tssm-02.png

よって、接線の方程式は

  

したがって、面積S
  tssm-03.png

(解答終了)


問題2 曲線上の点Pにおける接線とx軸の交点をQとする。PQからy軸に平行に引いた直線と、上の曲線およびx軸とで囲まれた部分は、PQによってどのような比に分けられるか。

【解】

graph-305.pngは偶関数で、x軸に関して対称なので、a>0について考えれば十分。

  

したがって、点Pにおける接線は
  tssm-04.png

よって、x軸との交点Qx座標は

  

PQ(a,0)で囲まれる三角形の面積は

  

曲線とx軸、x=ax=3a/2とで囲まれる部分の面積は
  tssm-05.png

したがって、面積比は

  

(解答終了)

 


問題3

(1) x軸上の点P(a,0)から曲線に2本の接線が引けるためのaの条件を求めよ。

(2) a=1/2のとき、この曲線と上の2接線で囲まれる部分の面積を求めよ。

【解】

graph-306.png(1)

  

接点の座標をとすると、接線の方程式は

  

これが点(a,0)を通過するので、

  

この方程式が相異なる2実根を持つので

  


(2) a=1/2のとき

  

よって、接線の方程式は

  

面積S

  tssm-06.png

(解答終了)

 


問題4 曲線y=logx上の定点A(1,0)と動点Pとにおける接線の交点をQとする。またPQからx軸へおろした垂線の足をそれぞれRTとし、この曲線とPRARによって囲まれた部分の曲線をSを、△AQRの面積S₁、△APTの面積をS₂とする。

(1) の値を求めよ。

(2) Pがこの曲線に沿ってAに近づくの極限値を求めよ。

【解】

graph-307.png(1)

  

Aにおける接線は

  

Pの座標を(t,logt)とすると、接線の方程式は

  

Qは①と②の交点だから
  tssm-07.png

よって、

  

面積S
  tssm-08.png

③と④より、

  


(2)

graph-308.png

 (1)より、Tの座標は

  

したがって、

  

ゆえに、

  

t<1のときlogt<0t−1<0t>1のとき、logt>0t−1>0で、いずれにせよ

  

よって、

  

(解答終了)


タグ:微分積分

ワンポイントゼミ x=t²+1、y=2−t−t²のグラフならび・・・ [ネコ騙し数学]

ワンポイントゼミ x=t²+1y=2−t−t²のグラフならび・・・


graph-366.png定積分の応用 面積4で出てきた次の方程式

  

から

  

とし、tを消去すると

  

したがって、方程式x=t²+1y=2−t−t²で与えられる曲線は、次の2つの曲線からなると考えることができる。

  

よって、この曲線とx軸で囲まれる面積S

  

t=x−1とおくと、

  


graph-367.pngまた、

  

両辺を2乗すると

  

と、一つの方程式でこの曲線をあらわすことができる。



ここから先は読むな!!



graph-368.pngこの曲線の正体は、原点を中心に45°時計回りに回転させるとわかります。

1次変換の知識を使い、

  

として、これを①に代入すると、

  

となり、この曲線の正体が放物線であることがわかる。

このとき、x軸はy=−xに写されるので、放物線

  

と直線y=−xで囲まれた面積と等しいことになる。

A(2,0)、点B(5,0)の像A'B'x座標はそれぞれ2/√25/√2になるので、

放物線の定積分に関する次の公式

  wp24-666.png

を用いると、

  wp24-01.png

と求められる。

ちなみに、点(x,y)を原点を中心に半時計回りにθ回転して得られる点(x',y')は、行列を用いて書くと

  

で、

  

この場合、反時計回りに45°だから

  

これから、A(2,0)B(5,0)の像A'B'x座標は2/√25/√2となることが分かる。

あなた、読むなと言ったのに、読みましたね。




頭が呪われたにゃ!!


タグ:微分積分

定積分の応用 面積4 媒介変数で表された曲線の場合2 [ネコ騙し数学]

定積分の応用 面積4 媒介変数で表された曲線の場合2


前回に引き続き、媒介変数で表された曲線の面積を求める問題を解くことにする。

前回解いた問題は、どれも、a≦x≦bにおいてdx/dt≧0、または、dx/dt≦0、つまり、xtに関して(広義の)単調増加、または、単調減少の場合で、今回はより複雑なdx/dtの符合が正から負、または、負から正に変わるより複雑なものを扱うことにする。

 


問題1 曲線x=3t−t³y=4−t⁴(−√2≦t≦√2)とx軸で囲まれた部分の面積を求めよ。

【解き方】

graph-357.pngこの曲線とx軸との交点のtの値は、y=0から

  

したがって、t=±√2

  

xtの奇関数、ytの偶関数だから、この曲線はy軸に関して対称(右図参照)。

したがって、求めるべき面積は第1象限の部分(0≧t≦√2)の面積の2倍である。

そこで、この曲線の0≦t≦1の部分をy₁、この曲線の1≦t≦√2の部分をy₂とおくと、右の図になる。

graph-358.pngだから、曲線y₁y₂、そして、x軸、y軸で囲まれた部分の面積は

  

よって、求めるべき面積S

  

【解き方終わり】

注意すべことは、0≦t≦√2のとき

  

だから、0≦t<1ではxは増加、そして、1<t≦√2ではxは減少するということ。

そして、x=√2に対応するtt=√2x=2に対応するtt=1であること。

だから、

  

になっている!!
また、

  

として、極値やyxに対する増減を求めることができ、t=0のときにyは極大になることが分かる。

さらに、①をxで微分すると

  

として、この曲線の凹凸を調べることもできる。

意欲のある人は、

  

として、計算を続け、凹凸を調べて欲しい。


問題2 次の方程式のあらわす曲線とx軸とで囲まれた部分の面積を求めよ。

  


graph-359.png上の問題は、x=t²からt=±√xとして、

  

そして、

  

とし、この2つの曲線の概形(右図参照)を書き、x軸との交点などを求める。

そして、

  

と求めたほうが楽なのでしょうが・・・。

【解】

graph-365.pngy=t²+t−2x軸との交点のtの値を

  

2≦t≦1で、xの取りうる値の範囲は0≦x≦4

  

2≦t<0xは減少し、t=−2のときx=4で、t=0のときx=0

0<t≦1xは増加し、t=0のときx=0t=1のときx=1

0≦t≦1の曲線の部分をy₁、−2≦t≦0の曲線をy₂とすると、

したがって、面積S

  

(解答終了)



問題3 tがすべての実数の範囲を動くとき、

  

を座標とする点(x,y)は1つの曲線をえがく。この曲線とx軸とで囲まれる部分の面積を求めよ。

【略解】

  


graph-351.png

(略解終了)


なお、問題1、2、3では、

  

という定積分の性質を使っている。


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定積分の応用 面積3 曲線が媒介変数で表された場合 [ネコ騙し数学]

定積分の応用 面積3 曲線が媒介変数で表された場合


曲線がパラメータで表された場合

次のようにパラメータ・媒介変数で表された曲線

  

が、区間a≦x≦bの間でx軸と囲む部分の面積は

  

で与えられる。

特に、a≦x≦bにおいて、y≧0のとき

  

である。


問題1 サイクロイド

  

x軸とで囲まれる1つの部分の面積を求めよ。

graph-295.png

【解】

  

だから、

  

(解答終了)

 

問題2 次の点(x,y)のえがく曲線の囲む図形の面積を求めよ。ただし、a>0b>0とする。

  

【解】

graph-296.png(1)

  

この曲線の囲む面積Sは、第1象限の部分を4倍したものと等しい。

x=のときθ=π/2x=aのときθ=0

よって、

  


(2) この曲線は

  

graph-297.png

この曲線で囲まれる面積は第1象限の部分を4倍したものに等しい。

  

したがって

  

(解答終了)

上の計算では次の公式を使っている。
  
この公式の証明は定積分の漸化式のところで証明をしてある!!


問題3 楕円

  

の上に点P(acosθ,bsinθ)がある。1つの頂点をA(a,0)、中心をOとし、2つの線分OAOPと弧APとによって囲まれる図形の面積を求めよ。ただし、0<θ<π/2とする。

【解】

graph-298.png

AP上の点の座標を

  

とする。

求める面積S

  tsm03-01.png

(解答終了)


タグ:微分積分

定積分の応用 面積2 [ネコ騙し数学]

定積分の応用 面積2


問題1 次の図形の面積を求めよ。

(1) 曲線x軸より下の部分とx軸とで囲まれた図形

(2) 0≦x≦2πの範囲で、2曲線y=sinxy=sin2xとで囲まれた部分

【解】

(1) y=cosx(1+sinx)x軸との交点のx座標はπ/23π/2

graph-288.png

よって、求める面積S

  

(2) y=sinxy=sin2xの交点のx座標は

  

0≦x≦2πで、sinx=0になるのは、x=0πcosx=1/2になるのはx=π/35π/3
そして、この図形は点(π,0)に関して対称。

graph-289.png

したがって、求める面積は

  

(解答終了)



問題2 次の図形の面積を求めよ。

(1) 曲線y=logxx軸、y軸および直線y=1で囲まれた部分。

(2) 曲線と直線y=xとで囲まれた部分。

【解】

graph-290.png(1) y=logxだから、

よって、求める面積S

  

(別解)

求める面積は、□OABCから斜線部(x軸とy=logxx=eで囲まれた部分)の面積を引いたものに等しいから

  


(2) 曲線と直線y=xとの交点のx座標は

graph-291.png  

したがって、面積S

  

ここで、
  

よって、

  

(解答終了)


問題3 次の図形の面積を求めよ。

(1) 曲線と、点(3、√2)におけるこの曲線の接線およびx軸とで囲まれた部分

(2) 曲線y=logxと、この曲線の原点を通る接線およびx軸とで囲まれた部分

【解】

graph-292.png(1) とすると

  

したがって、接点P(3,√2)における接線の方程式は

  

この接線とx軸との交点をAとすると、点Ax座標は−1

接点Pからx軸におろした垂線の足をBとすると、この図形の面積S

  

graph-293.png(2) 接点Pの座標を(t,logt)とすると、接線の方程式は

  

これが原点を通るので

  

したがって、接線の方程式はy=x/e

  

よって、求める面積は

  

(解答終了)

この問題3の(2)は、(1)同様に

  

と求めることもできる。


問題4 y=ax²のグラフがy=logxのグラフと接するように定数aの値を定めよ。また、そのとき、これらのグラフとx軸とで囲まれる図形の面積を求めよ。

【解】

graph-294.pngy=f(x)=ax²y=g(x)=logxとの接点のx座標をtとすると、f(t)=g(t)f'(t)=g'(t)

  

②よりat²=1/2。これを①に代入すると

  

よって、

  

したがって、面積S
  

(解答終わり)


タグ:微分積分

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