ワンポイントゼミ19 [ネコ騙し数学]
ワンポイントゼミ19
問題 x軸上を動く点Pとy軸上を動く点Qがある。点Pは原点を出発しt秒後の速度がsin2tであり、点Qは点(0,1)を出発しt秒後の速度がsintである。このとき線分PQの中点Rの軌跡を図示せよ。ただし速度は座標軸の正の方向とする。
【考え方】
点P、Qの座標をそれぞれ(x,0)、(0,y)とする。点Pのt秒後の速度はsin2tだから
点Qのt秒後の速度はsintだから
つまり、
①、②をtで積分すると
t=0のとき、x=0、y=1だから、
したがって、
RはP、Qの中点だから
三角関数の倍角公式より
だから、③は
④より
これを⑤に代入すると
ところで、
よって、③式から、Xは、cos2t=−1のとき最大、cos2t=1のとき最小で、
となる。
よって、求める軌跡は
である。
ちなみに、
ax=sとおくと、
したがって、
同様に、
置換積分2 [ネコ騙し数学]
置換積分2
今回は、置換積分を用いて、不定積分を求めることにする。
置換積分の基本公式は次のとおりである。x=g(t)とおくと
問題1 次の不定積分を求めよ。
【解】
(1) t=3x−1とおくと、よって、
(2) t=x²+2x+3とおくと
よって、
(解答終了)
(2)については、f(x)=x²+2x+3とすると、f'(x)=2x+2=2(x+1)だから、
という公式を用いて、
と、解くこともできる。
なお、
だから、|x²+2x+3|=x²+2x+3である。
問題2 次の不定積分を求めよ。
【解】
(1) とおくと
また、t²=x+1より、x=t²−1。
よって
(2) とおくと
よって、
(解答終了)
次のように解いたほうがいいのかもしれない。
【別解】
(1) とおくと、t²=x+1より、x=t²−1。
よって、また、3x−1=3t²−4
よって、
(2) x²+1=tとおくと
よって、
(解答終了)
という不定積分は、t=sinxとおくと
よって
になる。
同様に、t=cosxとおくと
だから
になる。
問題3 次の不定積分を求めよ。
【解】
(1) sinx= tとおくと
よって
(2)
cosx=tとおくと
よって、
(3) 1+sinx=tとおくと
よって
(解答終了)
(2)、(3)は
と解いてもよい。
また、(3)は、sinx=tとおき
と解いてもよい。
次に、
というタイプの不定積分は、とおくと
とするとよい。
問題4 次の不定積分を求めよ。
【解】
とおくと
だから、
(解答終了)
ワンポイントゼミ18 [ネコ騙し数学]
ワンポイントゼミ18
問題 関数F(x)の導関数はx³−3xで、F(0)=2である。
(1) F(x)を求めよ。(2) F(x)の極大値と極小値を求めよ。
(3) F(x)のグラフの概形をかけ。
【考え方】
つまり、
したがって、不定積分の定義より
F(0)=2だから、
になり、
(2) F(x)が求まったので、極値を求めるために、求めたF(x)を微分するというのは、阿⑨の所業。これは問題文に既に
と書いてある。
極値になる点では、F'(x)=0だから、
したがって、極値になる可能性のある点のx座標はx=0、±√3。
極値の判定のために、第2次導関数を求めると、
したがって、x=0のとき極大で極大値はF(0)=2。x=±√3のとき、極小で、極大値は
と判定することができる。
しかし、基本にかえって、増減表を書くことにする。
(3)
だから、F(x)はx軸とx=±√2とy=±2で交わる。
また、
だから、F(x)はx=±1で変曲点をもつ。凸凹表を書くと
したがって、グラフの概形は次のとおり。
この関数関数F(x)が偶関数、つまり、y軸に関して対称であることを利用すれば、この労力は半分になる。
置換積分1 [ネコ騙し数学]
置換積分1
置換積分
とする。
x=g(t)とおくと、F(x)はtの関数F(g(t))となる。よって、合成関数の微分より
この両辺をtで積分すると
よって、
これを置換積分法の公式という。
例1
【解】
t=1−xとおくと、x=1−t。
よって、したがって、
(解答終わり)
問題 次の不定積分を求めよ。
【解】
t=logxとおくと
よって、
(解答終わり)
t=g(x)のときは、①のxとtを入れ換えて、
とし、次のように解くこともできる。
【別解】
t=logxとおき、両辺をxで微分するとしたがって、
(別解おわり)
なのですが、あたかも分数のごとく
や
と、形式的に考えると、何かと便利。
例2
【解】
t=x²+1とおき、両辺をxで微分する。
よって
(解答終わり)
(※)
つまり、分数のように
と計算することができる。
例3 F'(x)=f(x)のとき、
【解】
t=ax+bとおくと
よって
(解答終わり)
例4
【解】
t=f(x)とおくと
よって
(解答終わり)
ちなみに例2は、例4の特殊なもので、f(x)=x²+1とすれば、例2の結果を得ることができる。
ワンポイントゼミ17 [ネコ騙し数学]
ワンポイントゼミ17
これからしばらく積分の計算方法についての記事が続くので、それを補う形で、応用的な問題をワンポイントゼミで解くことにする。
問題 y=f(x)はすべてのxに対し、0<y<1かつを満足し、であるとする。
(1) f(x)を求めよ。
(2) を求めよ。
【考え方】
不定積分を求めるために、まず、被積分関数を部分分数に分解する必要がある。
そこで、まず
として、両辺を比較することによって係数A、Bを求める。
そうすると、
これが0<y<1のすべてのyについて成り立つためには、
これから、A=1、B=−1になり、
よって
したがって、
x=0のときy=2/3だから
よって
(2)のx→∞の極限を求めるにあたって、次のことに注意が必要。
a<0のとき
a=0のときになるので
a>0のとき
したがって、
は、
a<0のとき1
a=0のとき2/3a>0のとき0
になる。これをまとめて、解答を作ればよい。
不定積分(数学3) [ネコ騙し数学]
不定積分(数学3)
§1 不定積分とは
関数f(x)に対して、導関数F'(x)がf(x)に等しい、すなわち、
である関数F(x)を関数f(x)の原始関数または不定積分といい、
であらわす。
また、不定積分を求めることをf(x)を積分するという。
F(x)をf(x)の不定積分の1つ、Cを定数とすると、
だから、F(x)+Cもf(x)の不定積分である。
逆に、f(x)の任意の不定積分をG(x)とすると、
よって、f(x)の不定積分の一つをF(x)、Cを任意の定数とすれば、f(x)のすべての不定積分は
であらわされ、この定数Cを積分定数という。
§2 不定積分の基本公式
f(x)、g(x)をそれぞれF(x)、G(x)の導関数とすると、F'(x)=f(x)、G'(x)=g(x)だから、
これより、積分定数Cを省略し
が成立する。
また、
さらに、
指数関数については
三角関数については
§3 簡単な計算問題
問1 次の不定積分を求めよ。
【解】
(解答終わり)
この問題の(4)のような分数関数の積分では、一度、部分分数に分解して計算をするとよい。
問題2 次の不定積分を求めよ。
【解】
(解答終わり)
(2)では、3角関数の半角公式
が使われている。